つぶやき一行/2021-10-06
Tag: 今日の「へーっ」
ストレスで脳が死ぬ???
脳が死ぬわけではありませんけど、精神的ストレスで記憶をつかさどる脳のであり、うつ病の発生にも関与するという説もある海馬という部位で新しく生まれた神経細胞(新生神経細胞)が死んでしまうことが分かったという研究があったので紹介します。東京理科大学の世界初の研究です。
「代理社会的敗北ストレスモデルマウス」というストレスに弱いマウスを使って研究したところ、「代理社会的敗北ストレスモデルマウス」では海馬歯状回において・・・
- 新生神経細胞の細胞生存率のみが大きく低下する
- 新生神経細胞の増殖率には影響しない
- 細胞生存率の低下の割合が精神的ストレス負荷期間後4週間持続する
- 社会的回避行動が悪化する
また、抗うつ薬フルオキセチンを持続的に投与すると・・・
- 神経細胞生存率が上昇する
- 社会的回避行動の悪化が改善される
参考
代理社会的敗北ストレスモデルマウスとは?
雄マウスは、なわばりに入ってきた者を攻撃するというマウスの特性を利用して、攻撃されて敗北するという体験はマウスにとって子孫を残せないことを意味し、それは本能的に大きなストレスとなるのです。攻撃性の高い強いマウスと一緒にして敗北体験を繰り返えすことを繰り返して、ストレスに弱いマウスを生み出します。このストレスに弱いマウスが代理社会的敗北ストレスモデルマウスなのです。
マウスに与える精神的ストレスとは?
攻撃性の高いマウスに攻撃させるのではなく、他のマウスが攻撃を受けているのを見させるというのが、マウスにとっての「精神的ストレス」です。直接に攻撃されないため身体的ストレスはありません。
情報源
- Toshinori Yoshioka, Chronic vicarious social defeat stress attenuates new-born neuronal cell survival in mouse hippocampus. Behavioural Brain Research Volume 416, 7 January 2022, 113536
- https://www.tus.ac.jp/today/archive/20210922_3728.html