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つぶやき一行/2021-11-06

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Tag: 今日の「へーっ」

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読書

躁うつ病の再発を予防するにはどのお薬が優れているか?

躁うつ病はうつ病よりも再発しやすいというイメージがあります。実際、再発する方が多いです。そこで躁うつ病の再発を防止するお薬についての報告があったので紹介します。ニューメキシコ大学(米国)の研究です。

信頼性の高い研究手法で解析したところ、24~104週間の経過観察機関では・・・

  • 炭酸リチウム製剤、気分安定化薬、第2世代抗精神病薬の使用は偽薬とくらべ再発を58%抑制
  • アリピプラゾール、アセナピン、炭酸リチウム製剤、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン持効性剤の使用で再発リスクは0.19~0.46倍に減少
  • 「炭酸リチウム製剤もしくは気分安定化薬」と「アリピプラゾール、divalproex(日本未発売)、クエチアピン、オランザピン、リスペリドン」との併用は「リチウムもしくは気分安定薬の単剤」と比べ再発リスクが0.34倍に減少
  • 薬剤による工夫した治療は「うつ病相」より「躁病相」の再発により効果的

再発予防についての私見

結論は、再発を繰り返し方あるいは再発の可能性をより少なくするためには、「炭酸リチウム製剤もしくは気分安定化薬」の単剤での治療より「アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、リスペリドン」との併用が望ましいということですね。ただし、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、リスペリドンのどの薬剤も、太る可能性があるので使いずらいですけど・・・10kgや20kgくらいと、どんどん太ってしまう方が相当数おられますので本当に要注意です。なお、このためクエチアピンとオランザピンは糖尿病の方には使用できません。

情報源

Anastasiya Nestsiarovich et al, Preventing new episodes of bipolar disorder in adults: Systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. European neuropsychopharmacology : the journal of the European College of Neuropsychopharmacology. 2021 Sep 03; pii: S0924-977X(21)00739-2.

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