つぶやき一行/2022-09-01
Tag: 今日の「へーっ」
マイサイドバイアスとは?防止するには?
マイサイドバイアスとは「自分の考えに賛成する立場に有利な理由を多く探し出し思いつく傾向」を表す言葉です。マイサイドバイアスが強い意見は説得力に欠け、信頼されることも少なくなるようです。マイサイドアドバイスに陥らないようにする対策を列挙します。興味のある方が読んでみてください。
マイサイドバイアスを少なくするFerrettiら(2009)の考えを私なりに書き換えて列挙すると、
- 自分の意見がどのようなものかを明確にする
- 自分の意見を支持する2つ以上の理由あげる
- それらの理由が適切であることを説明する
- 自分とは異なる意見を持っている人がいることに言及する
- 異なる意見を持つ人が主張するであろう理由を2つ以上考える
- それらの理由が適切でない根拠を説明する
- 自分の意見の結論を簡明にまとめる
以上の7つを明確な文章にして書くことがポイントだそうです。
また、東京大学の研究では、
- 自分の意見の目標を提示する
- その目標を達成するための方略を考える
- なんのためにその目標を達成するのかという自分の役割を自覚する
などにより、自分の意見に反対する意見への再反論を思い起こす数が増えることが明らかになったとのことです。
私見
物事を自分に都合のいいように解釈したり、都合のいい部分のみが頭に残ったりするというのもマイサイドアドバイスの類縁現象かもしれませんね。自分の意見とは異なる考えを持った人がいるということを常に認識しておくことが、マイサイドアドバイスの根本であるような気がしています。このように認識しておくことで、自分の意見は絶対に正しく、他に異なる価値観はないという「意識に登ってこない無意識の思い込み」に支配されるリスクが減るのです。マイサイドアドバイスから逃れることで、人生が変わるかも?
情報源
- Ferretti R P et al. Do goals affect the structure of stu¬dents’ argumentative writing strategies?. Journal of Educational Psychology,101,577-589,2009.
- 小野田亮介(東京大学大学院教育学研究科•日本学術振興会), 児童の意見文産出におけるマイサイドバイアスの低減——目標提示に伴う方略提示と役割付与の効果に着目して——, 教育心理学研究, 2015,63,121—137.