つぶやき一行/2022-10-11
Tag: 今日の「へーっ」
運動の有効性に疑問?
労働者の睡眠を改善する一方で、統合失調症患者の抗精神病薬により誘発される体重増加や、うつ病患者の復職成功率には改善効果がないという発表があったので紹介します。福岡大学の報告です。
報告は、2022年の第19回日本うつ病学会で行なわれました。労働者490人について、運動習慣のある214人と運動習慣のない276人に対して、毎日1万歩の散歩を4週間してもらったところ、全体では以下の点がが有意に改善したそうです。
- 寝つくまでの時間
- 睡眠の長さ
- 自覚的な睡眠の質
- 日中の機能障害
運動習慣のあったグループでは
- 自覚的な睡眠の質
運動習慣のなかった群では
- 寝つくまでの時間
- 睡眠の長さ
- 自覚的な睡眠の質
の有意な改善が認められた
私見
睡眠に関しては、運動習慣のある人の方がベースラインの睡眠時間と睡眠の質が良かったということですから、運動が睡眠に良いということは確かなようです。体重減少効果については、1万歩の消費カロリーは歩行スピードや歩幅、身長、体重により異なりますけど、ポテトチップ標準パック1袋分ちょっとくらいです。体重を減らすにはほとんど効果は期待できないというのは理解できます。復職への運動の効果についてですけど、運動は抗うつ薬と同等の効果があるとされています。抗うつ薬と同等であるということは抗うつ薬よりも優れた効果はないということであり、併用の効果もないという結果なでしょうか?強迫性障害にSSRIと行動療法の併用で効果が増幅されないというのと似ていますね。
情報源
- 第19回日本うつ病学会