最新医学の情報乱れ読み/2012-01-30
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アスピリンに大腸がん予防効果?
- Lancet オンライン版より
- リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん:HNPCC)患者に対するアスピリンの化学予防効果を検討した初のランダム化比較試験(RCT)CAPP(Colorectal Adenoma/carcinoma Prevention Programme)2の結果が報告。
- HNPCCは最も頻度の高い遺伝性腫瘍疾患の1つ。
- 大腸がんのほかにも多臓器にがんが多発する。
- アスピリン腸溶錠600mg/日の2年以上の服用で、発症リスクが有意に低下。
- 861例がアスピリン群とアスピリンプラセボ群に割り付けられ、55.7カ月(中央値)の追跡期間中、大腸がんを発症したのは、アスピリン群427例中18例、アスピリンプラセボ群434例中30例の計48例。
- ITT解析による大腸がん初発のハザード比(HR)は、アスピリン群0.63(95%CI 0.35~1.13)で、プラセボ群に対し有意差は見られなかった(P=0.12)。
- 同解析によるアスピリン群の罹患率比(IRR)は0.56(同0.32~0.99,P=0.05)で、保護的効果が示された。
- 2年間の介入を完了した被験者(アスピリン群258例,アスピリンプラセボ群250例)を対象に行われたper protocol解析によるアスピリン群のHRは0.41(同0.19~0.86,P=0.02)、IRRは0.37(同0.18~0.78,P=0.008)と有意な効果が確認。
- 有害事象は介入期間中,同期間後も両群同等。
- 報告者は、600mg/日のアスピリンを約2年の服用で、およそ5年後のがんのリスクを有意に低下できる可能性が示唆されると結論。
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