最新医学の情報乱れ読み/2012-02-04
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Tag: ビタミンB6
統合失調症の成因分類に基づくオーダーメード医療に第一歩
- 東京都医学総合研究所・糸川昌成らの研究。
- 終末糖化産物(AGE)が蓄積し、それを除去するビタミンB6が欠乏した“カルボニルストレス”の状態が統合失調症患者の2割程度に見られるという(Arch Gen Psychiatry 2010; 67:589-597)。
- このような患者に、ピリドキサミン(活性型ビタミンB6)を投与する治験を2011年10月24日に開始。
- これまで単一疾患として扱われてきた統合失調症であるが、今後は成因や病態を共通にするいくつかの患者群に細分類され、分子レベルでの成因分類に基づくオーダーメード医療実現する可能性が期待される。
- 統合失調症の一部はAGEの蓄積が原因であり、そのような統合失調症では、AGEの生成を抑制する活性型ビタミンB6が有効との仮説がある。
- 東京都立松沢病院においてカルボニルストレス性統合失調症と判断される10例を対象に、ピリドキサミン1,800mg/日を投与する。ピリドキサミンは国内未承認であり,
- 患者への投与に先立って,試験管実験でピリドキサミンの濃度依存的にAGEの1つであるペントシジン濃度が低下することを確認。
- 対象は血中ペントシジン濃度が高値〔55.2ng/mL(健康者の平均値の+2SD)以上〕の患者。
- 結果は来年夏ごろまでにまとめ、厚生労働省に報告する予定。
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