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最新医学の情報乱れ読み/2012-02-18

Tag: うつ病

前頭葉眼窩野の血流量減少と相関/低頻度TMSの抗うつ機序

  • 第13回日本ヒト脳機能マッピング学会
  • 杏林大学精神神経科学教室の鬼頭伸輔らの研究。
  • 治療抵抗性うつ病患者を対象に低頻度経頭蓋磁気刺激(TMS)を施行し、刺激後の局所脳血流(rCBF)の変化とrCBFの変化が治療効果と相関している部位について検討。
  • 右前頭前野、梁下野を含む前頭葉眼窩野の脳血流の減少がうつ症状の改善に関与していることが示唆された。
  • TMSはうつ病治療に応用されており、左背外側前頭前野に対する高頻度刺激あるいは右背外側前頭前野に対する低頻度刺激が施行されている。
  • しかし,従来の研究は前者に照準を合わせたものが大半で,より安全であると考えられる低頻度刺激の作用機序については十分な検討がなされていない。  
  • 鬼頭らは,複数回の薬物療法が奏効しなかったうつ病患者26例(男性14例,女性12例,平均年齢46.2±13.8歳)に、右背外側前頭前野への低頻度TMS(100%MT, 1Hz,60sec,5trains)を3週間以内に12回行った。
  • TMSの前後でrCBFの変化をSPECTで調べ、ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)を用いて評価したうつ症状の改善度がrCBFの変化と相関している部位を探索。  

T-MS後に脳血流の減少が認められたのは、刺激部位に相当する右半球の前頭前野、前頭葉眼窩野、梁下野であり、脳血流減少と症状改善度(HDRSスコア減少率)との相関は、右前頭前野、両側の前頭葉眼窩野、右梁下野(ブロードマン25野)で認められた。

  • 難治性うつ病患者に対する深部脳刺激(DBS)で梁下野を刺激すると、刺激部位である梁下野ならびに前頭葉眼窩野の脳血流が減少してうつ症状が改善するとの報告があり、今回実施した右背外側前頭前野への低頻度TMSでも同様の機序で抗うつ効果が発現したと考察。

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