最新医学の情報乱れ読み/2012-04-10
Tag: 脳科学
半球間抑制
- スムーズな動作支える脳の仕組みを解明
理化学研究所は、脳がスムーズな動作指示や触覚の情報処理などを行うのに必要不可欠な「半球間抑制」の神経回路メカニズムを解明したと発表。
半球間抑制は、左右の大脳が神経刺激のバランスを取り合う現象。
片方の大脳が活性化し興奮性の信号を出す時、なぜかもう片方の大脳では神経活動が抑制される。
1962年に元米国ロックフェラー大学教授の故・浅沼廣氏らが発見も50年間にわたりメカニズムの詳細は不明。 新皮質は表面から深部にかけて1層から6層に分かれている。
5層錐体細胞は、その5層目に細胞体を置き、樹状突起を1層目まで伸ばし、2層から6層に存在する興奮性の神経細胞からの情報入力を受けると、それらと連携して情報を取りまとめ、新皮質から情報を出力。
生きたラットの右足を刺激して、脳神経の刺激への応答を観察。
左脳の体性感覚野から発した興奮性情報は、脳梁を介して右脳の体性感覚野に伝わる。
右脳に伝わるのは興奮性の情報であるにもかかわらず、神経活動が抑制。
抑制の理由を明らかにするため、右脳内で活性化する神経細胞を単一細胞ごとに解析。
右脳の体性感覚野の表層にある抑制性の神経細胞が活性化することで、5層錐体細胞を制御していることを発見。
抑制性の神経細胞がアミノ酸「GABA」を放出、5層錐体細胞の樹状突起にあるGABA受容体に作用する仕組み。
活動を3割も抑制と判明。
脳科学総合研究センター行動神経生理学の村山正宜らの研究。
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