最新医学の情報乱れ読み/2012-06-05
Tag: 恐怖
トラウマは睡眠で癒される?
レム睡眠中に夢を見ると、トラウマが軽くなる可能性を示唆する報告。
トラウマ的写真を見せて、睡眠後の脳をスキャン。
レム睡眠時、感情を司る扁桃体の活動が低下していること判明。
翌朝目覚めた被験者は、同じ写真にあまり情緒を乱されなくなった。
研究は、カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカーら。
眠りに癒し効果があることを示す事例報告はあった。
本研究が示唆するのは、トラウマを癒すのは時間ではなくレム睡眠であるということ。
対象は、34人の健康な若いボランティア。
被験者を2つのグループに分け、150枚の写真を見せながら脳の活動をMRIでスキャン。
写真は12時間の間隔を置いて2度見せた。
写真は、無害なイメージのものから、事故で大怪我を負った人のむごたらしいもの。
片方のグループでは、午前中に写真を見て、昼間は眠らずに、夜にもう一度見てもらった。
もう片方のグループは、最初に見てから一晩眠り、翌朝になってからもう一度見てもらった。
その結果、睡眠をとっている被験者のほうが、2度目に写真を見たときの感情の反応がかなり軽いと報告。
扁桃体の活動低下により、合理的な判断をする前頭前皮質が写真の影響を和らげることができたと考えられる。
しかも、睡眠中にストレスに関連する脳内化学物質のレベルが低下していた。
しかし。夢が必ず心を癒すわけでも、すべての感情的ストレスが癒されるわけでもないと思われるが、興味ある結果であろう。