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最新医学の情報乱れ読み/2012-06-24

Tag: PTSD

東日本大震災による健常人のPTSDと脳萎縮

Brain structural changes as vulnerability factors and acquired signs of post-earthquake stress

A Sekiguchi et al.

Molecular Psychiatry advance online publication 22 May 2012; doi: 10.1038/mp.2012.51

東北大学加齢医学研究所脳機能開発研究分野の関口敦らの研究。

これまで、PTSDで様々な脳部位の萎縮が指摘されていた。

しかし、それがPTSD症状の原因か結果かは不明であった。

東日本大震災以前に東北大学加齢医学研究所でMRIを撮っており、被災をしている東北大学の学生のMRIを実施し、震災前後の脳画像と震災後3~4カ月時点でのPTSD症状の評価を施行。

画像解析の結果、右前帯状皮質が、PTSD症状と震災前の脳灰白質量が有意な負相関しました。

また、左眼窩前頭皮質では、PTSD症状と震災前後の脳灰白質変化量が有意に負の相関があった。

これら脳領域が、震災後PTSD症状の48%を説明することが統計学的に示された。

震災前から前帯状皮質の脳体積が減少している被災者にPTSD症状を生じやすく、PTSD症状出現に伴い眼窩前頭皮質の脳体積が減少することが明らかとなったといえる。

前帯状皮質の機能として、恐怖や不安の処理に関与することが知られているが、恐怖や不安の処理の機能不全が、PTSD症状の誘因となること示唆された。

眼窩前頭皮質は、条件づけ恐怖記憶の消去に関与していることが分かっているが、恐怖記憶の消去処理機能不全が震災後早期のPTSD症状の出現の背景にあることも示唆された。

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