最新医学の情報乱れ読み/2012-06-30
治療後のテロメラーゼ活性の上昇がもっとも大きい患者が抗うつ薬にもっとも良く反応
Wolkowitz OM et al. Resting leukocyte telomerase activity is elevated in major depression and predicts treatment response.Mol Psychiatry 2012 Feb; 17:164.
うつ病患者のDNA修復酵素活性は、正常レベルより高い。
その活性がもっとも高い患者は、抗うつ薬の効果が現れにくい。
テロメアは、染色体末端部にあるDNA-蛋白複合体からなるキャップ構造をなし、DNAを損傷から保護している。
うつ症状がある人やストレスレベルが高い人では、テロメアの短縮が認められる。
セルトラリンでの治療前と、治療後8週経過した大うつ病20例と健常者18例から、白血球のテロメラーゼ(テロメア修復酵素)活性を測定した。
患者群の治療前「テロメラーゼ活性」は、対照群に比べ高かった。
また、うつ症状の重症度と正の相関があった。
セルトラリン治療を終了した15例で、抗うつ薬にもっとも良く反応したのは、治療前の「テロメラーゼ活性がもっとも低く」、治療後の「テロメラーゼ活性上昇がもっとも大きい」患者であった。