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最新医学の情報乱れ読み/2012-09-04

Tag: 扁桃体 恐怖

恐怖試験レビュー?

動物実験の総括的レビューを1つ要約して転載。

動物に、条件刺激(CS)の「音」に、無条件刺激(UCS)の「電気ショック」を同時に与えると、CSによって恐怖反応としての「すくみ」が見られるようになるとのこと。

扁桃体の「弱い」前シナプス入力と「強い」後シナプス入力が同時発生すると、シナプス入力が強化されるという。

結果として、中脳水道周囲灰白質を介して、CSによる神経細胞の強力な脱分極が生じる。

さらに、視床下部外側野を介して、自律神経系が活性化する。

また、視床下部室傍核を介してストレスホルモンが放出される。

これらのシナプス結合は神経伝達物質受容体であるcoincidence detectorや電位依存性Caチャネルにより強化されるが、扁桃体のGABA作動性介在ニューロンによっては減弱される。

ところで、扁桃体において新たに形成された恐怖記憶の固定化には、蛋白合成が必要となるらしい。

さて、CSへの再曝露は恐怖記憶を再活性化するが、初回の固定化と同様、記憶の再固定化には、扁桃体における蛋白合成が重要とのこと。

再固定化は、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体、ノルアドレナリン作動性シグナル伝達、プロテインキナーゼ、複数遺伝子の発現亢進などが関与し、これは新たな学習プロセスだという。

電気ショックを与えずに、音刺激を繰り返す、すなわち、UCSの非存在下でCSに繰り返し曝露させると、消去学習され恐怖記憶が減弱する。

しかし、この記憶はUCSへの再曝露で再燃し、また、時間経過で自然発生的に再活性化することがあるのだという。

動物の恐怖記憶は、トラウマの反応に似ている…

—Steven Dubovsky, MD
掲載:Journal Watch Psychiatry January 9, 2012 引用文献:Johansen JP et al. Molecular mechanisms of fear learning and memory.Cell 2011 Oct 28; 147:509.

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