言たか放題/2015-05-04
Tag: ふと思ったこと
価値にコミットする!…?
最近話題のライザップの宣伝は、「結果にコミットする!」ですが…
ギャロップ(プリンストン大学)の調査(対象人数は45万人!)によれば、収入と幸福感の関係は、一定額までは年収が増えるにつれて幸福感も高まるけれども、その額に達して以降は年収が増えてもそれほどには幸福感が強くならないということです。
その収入額とは、一世帯あたり7,5000ドル/年だそうです。
為替レートにより日本円換算額は大きく変わりますが、1ドル80円なら600万円、現在の120円なら900万円ということになります。
ただしこれには裏があって、この結果は「日々の生活に対する満足感や幸福感」のことであり、自分の人生というものの自己評価という尺度で測れば、年収の高いグループほど人生への満足感は高いそうです。
日本人の場合は、「ものが買える」=「幸福」という感覚が強いらしく、米国の調査とは異なり収入と幸福感は相関する結果が出るかもしれません。
しかし、これはこれで不幸なことになる危険がありそうです。
まりにモノや成功とか結果というものに価値の重点をおいてしまうと、達成できなければ幸福になれないということになってしまうかも知れません
好きなモノが買えるとか、目指した目標を達成できるとかということは、自分の努力だけではどうにもコントロールできるものではありません。
ライザップではないですが、結果にコミットし過ぎると、結果が得られるまでは永遠に幸福感を感じられないことになってしまうのです。
ここで、結果ではなく、自分が重要と信じる「価値の方向性にコミットする」という考えが、1つの可能性を与えてくれるかもしれません。
結果(目標)は、あまりにも高いものであればやる気が殺がれ、逆に簡単すぎれば達成感を感じることができません。
しかし、価値の方向性に沿って行動し生きていくのなら、今この瞬間に、まさにこの場で充足感を感じることができるのです。
チクセントミハイのフロー状態で行動できるなら、さらに幸福感を増すことができるでしょう。
価値の方向性にコミットしてみるという視点で生き方を眺めてみるのはいかがでしょうか?
【注1】
ちなみに、当時(2005年)の米国の平均「世帯」年収7,1500ドル(ただし中央値は5,2000ドル・日本は2008年で約560万円で中央値は約450万円)だそうですから、平均世帯収入が日米で等価であるとすると、単純計算で585万円くらいとなります。
私は趣味で車のパーツなどを米国から個人輸入で購入するのですが、空輸料金を含めても日本の価格のおよそ60%で購入できるので、7,5000ドルというのは世帯年収900万円くらいの感覚ではないでしょうか。
これは、日本の場合、夫婦がともに公務員で共稼ぎしていれば容易にクリアできる年収です。
【注2】
コミットするとは、「あることを重要であると確信して、どんなことがあってもそれを行うのだと決意し実行すること」とお考えください。
【注3】
チクセントミハイのフロー理論では、自分の能力をほんの少し上回る課題に没頭し挑戦しているときに生じる没我の状態が、人がもっとも幸福感を感じられる状態であり、これをフロー状態と呼んでいます。