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言たか放題/2015-08-10

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Tag: 情報リテラシー

ネット情報解読の注意点

近年、ネット情報により学術的専門雑誌のエッセンスが誰でも手軽に得られるようになっています。

しかし、注意すべきことが1つ…

例えば、

Nathan Crossら(Journal of sleep research:シドニー大学)の報告した次の情報を見てください。

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高齢者では、

①8割以上の人が昼寝をしている。

②昼寝をする人は下記が有意に高い。
⑴医療負担
⑵BMI
⑶軽度の認知障害のリスク

③昼寝の長さと頻度の上昇は、認知機能低下の程度や抑うつ症状の高さに関連。

④昼寝する時刻は、寝つきの悪さと中途覚醒に関連。
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この報告で注意するべき点は、

①はそのままそうだと考えていいのですが、

②と③④については次のような解釈をしてはいけないということです。

間違った解釈

②'昼寝をすると医療負担が高くなり、BMIや軽度の認知障害のリスクが高まる。

③'昼寝が長いく頻度も多いと、認知機能低下がより低下し、抑うつ症状も酷くなる。

④'昼寝する時刻によっては、寝つきが悪くなり中途覚醒しやすくなる。

では、なぜ間違っているのでしょうか?

それは統計は因果関係の方向を表さないというためなのです。

例えば、②の場合、

昼寝をするから→⑴医療負担⑵BMI⑶軽度の認知障害のリスクが有意に高いのか、

⑴医療負担⑵BMI⑶軽度の認知障害のリスクが高い人であるから→昼寝をするのか、

これがどちらが正しい因果関係の方向なのかを統計は決定しないのです。

ネット情報を読み解く時には、情報リテラシーということを頭の片隅に落ちていくことをお勧めします。

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