''不安障害''
不安の発生メカニズム
- 通常の病的でない不安の経路は、
「ある状況→過去の経験と自分の能力から対処不能であるとの判断→不安」です。
- 病的不安の場合は、
「ある状況→具体的不安→漠然とした対象のない不安」とか「ある状況→漠然とした対象のない不安」「自然発生した原因のない不安」という形をとるのが一般的です。
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そして「不安=死の危険」という本能のセキュリティシステムが誤動作しはじめるのです。
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死の危険が迫っているという信号としての不安ですから強烈です。
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何も目の前で生じていないのに「殺されるという信号である」不安が生じるのですから、「とにかく何か破局的に恐ろしいことが生じてる」と思考の脳は判断してしまうのです。
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不安だ!
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危険だ!
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でも目の前では何も生じていない。
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でも不安だから何か大変なことが起こっている。
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不安だから不安なんだ!
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「不安ととい自己感覚を根拠として不安になる」
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不安になる現実的根拠がないので、不安の根拠となる現実が消失するという「安心していいという目印」が生じない!
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安心するということが生じない。
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不安が治まらない。
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悪循環
これが病的不安が自然治癒しないメカニズムです。
実際の治療
- 不安は強烈な脅威であり苦痛であるため、お薬を使います。
- 軽症であれば漢方薬、中等度であればSSRIという依存性のないお薬もしくは安定剤のどちらか1つ、そして重度の場合はSSRIと安定剤の併用を行います。
- 安定剤は効果はてきめんに現れますが依存性があるため、長期間服薬すると離せなくなることがあります。
- お薬に頼らないようになるために、上述の本能のセキュリティシステム誤作動を解除するための心理療法を薬物療法と平行して行います。
- さらにリラックス法を習得して、お薬以外の方法で不安をコントロールできるようにします。
- 以上の方法を組み合わせることでお薬がなくても不安をコントロールできるようになります。
- <注意>SSRIにはパニック障害と社会不安障害以外の不安障害(全般性不安障害など)への保険適応は認められていません。