つぶやき一行/2021-08-05
Tag: 今日の「へーっ」
痩せるとボケるし早死にする?
太っていることで生活習慣病になりやすくなることから生じる健康上の不都合が多々あることが知られており、いいことはないのではないかと思っていたのですけど、必ずしもそうではないという研究報告を取り上げた書籍があったので紹介します。
ハーバード大学(米国)の報告
やせている人は太めの人よりも
- 死亡率が高い
- 認知症リスクが高い
えっ?逆じゃないのって印象ですけど、どうしてこうなるのでしょうか?ハーバード大学(米国)のさらなる分析によれば、体重を体脂肪量と筋肉量(正確には除脂肪体重)に分けて調べてみると、体脂肪量に関しては次のようなことが分かりました。
- 体脂肪量が多い人ほど死亡率が高い
- 体脂肪量が多い人は少ない人に比べて死亡率が35%高い
- 体脂肪量が21キロ以上になると死亡率が急上昇する
除脂肪体重と死亡率の関係については
- 除脂肪体重が少なすぎると死亡率は高くなる
- 除脂肪体重が多すぎても死亡率は高くなる
つまり、除脂肪体重と死亡率はU字型の関係にあり、除脂肪体重が少なすぎても多すぎても死亡率が高くなるということですね。この関係を説明できるメカニズムは分かっていないようです。
山梨大学大学の研究
痩せていると認知症になりやすいという研究報告です。適正体重(BMI18.5~25未満)の人を1とすると、ちょっと太め(BMI25~30未満)の人の方が
- 男性で認知症の発症率が0.73倍
- 女性で認知症の発症率が0.82倍
と、適正体重の人よりも認知症の発症率が低いかったのです。
一方、痩せ気味の人(BMI18.5未満)では、
- 男性で認知症の発症率が1.04倍
- 女性で認知症の発症率が1.72倍
と、適正体重の人よりも認知症の発症率は高いという結果でした。
さらに、痩せ気味の人(BMI18.5未満)の男性が高脂血症を持っていると、適正体重で高脂血症のない人より認知症の発症率が4倍以上になることも分かりました。
また、女性に関しては、痩せ気味の人(BMI18.5未満)が高血圧である場合には、適正体重で高血圧のない人に比べて、認知症の発症率が4倍弱に高まることも判明したということです。
印象
体重は痩せすぎず太りすぎずの適正体重を保つことが大切ということでしょう。しかし、別の見方をするなら、体脂肪も脂肪以外の成分も、少なすぎてもい多すぎてもよくないということかもしれません。体重が減れば体脂肪量も減るけれども除脂肪体重(≒筋肉量)も減ります。ダイエットして不健康になる!無理なダイエットには気をつけましょうということですかね。
情報源
永田利彦『ダイエットをしたら太ります。』