ほんの一言…/2015-11-06
Tag: 学術論文
効くって言ってたじゃない…
科学や医学の世界では、その時期時期により研究結果の評価や内容が変わってしまうことがあります。
最近では…
思春期うつ病に有効とされた抗うつ薬が無効と結論づけられたり、
難治生うつ病に有効とされたマインドフルネス認知療法が、薬物療法と同程度の有効性しかないと報告されるなどの例があります。
マインドフルネス認知療法については以前投稿(興味ある方はクリックして下さい)しましたので、
今回は、思春期うつ病に有効とされた抗うつ薬についての再検討研究について書いてみました。
2001年の「スタディー329」の結果では、
思春期うつ病の抗うつ薬として、プラセボ(偽薬)に比べると、パロキセチン(商品名パキシルなど)は安全かつ有効、イミプラミン(商品名トフラニールなど)は、無効とのことでしたが、
過去に中断されたり誤って報告されている研究の再調査などを勧告するRIATイニシアチブの提案で再検討された結果、
①パロキセチンとイミプラミンとプラセボの3群のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-Dスコア)の改善に差がない。
②パロキセチン群で自殺・自傷行動が増加。
③イミプラミン群では心血管イベントの増加などの重大な有害事象が認められた。
(以上、米国家庭医学会(AAFP)がBMJオンライン版)
学術論文の調査結果も、臨床分野は特に、本当か?という視点で眺めていく必要がありそうです…