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FrontPage/2024-02-03

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Tag: プチ所感

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精神の安寧にはちょっとした触れ合いが大切?

人間関係は難しいものです。身近な友人との関係もそうですし、夫婦や恋人、親子になると、もう悲惨というほかないかも?同僚や上司、部下ともそうでしょう。関係が密になるほど、利害関係が生じるほど人間関係は難しくなるのですね。

こういった関係の込み入った修正の困難でスッキリしないストレスフルな関係とは対極にあるのが、ふとした機会に生じる見知らぬ人とのホッとする触れ合いです。通勤途中に交わす会釈、エレベーター内での小さな笑顔、雨の日に差し出される一傘…。これらは短い時間で起こる出来事ですが、私たちの心には長く暖かい余韻を残し、深いいたわりを感じさせてくれるものです。

では、なぜこれらのふとした触れ合いが、心にとって肥やしとなるのでしょうか?答えはシンプルです。期待や義務、過去の歴史による影響がないため、純粋な人間性だけがそこにあるからです。これらの瞬間は、人間同士が互いにただ「存在する」ことを共有しているだけですが、そこには基本的なつながりと呼応が存在します。私たちは、言葉を交わすことなく、共感や理解を感じ取ることができ、自分自身の中に潜む共通の人間性を発見するのです。

また、これらの触れ合いは、日々の生活の中で失われがちな社会的居場所感を再発見する機会を与えてくれます。誰かに小さな親切を行うことで、或いはそれを受けることで、自らの存在が他者に価値をもたらしているという事実に気づかされますし、私たちが互いに分かち合い、深く考慮し合うことで、孤独感が癒され、人としての一体感が育まれるのです。

結局のところ、私たちの日常の中で、密度の濃い関係がもたらすストレスと緊張に対して、見知らぬ人との一瞬の触れ合いが抗体のような役割を果たしているのかもしれません。この種の触れ合いは、日々の複雑さの中で私たちを地に足をつけさせ、生きている喜びと人間としてのつながりを再確認する機会を提供してくれるものです。そして、それはまさに心の肥やしとなって、新たな成長へと私たちを導くものではないでしょうか。

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