dokusyo/2015-10-05
夢と希望は捨てなさい
アルボムッレ・スマナサーラ著。
初期仏教の「苦」の概念を分かりやすく解説している。
煩悩から自己生成された妄想的苦から自由になるよう説いている。
これができれば苦悩からは解放されるかもしれません。
ただし「苦」からは逃れられないのですけれども…
生きることが「苦」そのものであり、
「苦」とは生老病死のことそのものであるという。
生き物は、生き続けるため栄養を摂り(生)、それでも限りがあり(老)、生きなければ滅しへと障害され(病)、やがて死にゆく(死)。
この自然の理(ことわり)である苦は避け得ないもの。
人はこれに、煩悩による自己生成される苦を味わう。
「これさえあれば!」「これさえなければ!」に拘って呑み込まれ、
永遠に満たされることがない。
車窓からの景色を眺めるように、
「よかったね!」
に止め、
「持ち帰ろうとしない」、
そのような生き方をして、
慈しみの人生を生きよう!
ということでしょうか?
生老病苦、愛別離苦、怨憎会苦、自我愛、現実苦、妄想苦など分かりやすい解説あり。
ただし、現実苦と妄想苦は著者の造語です。