つぶやき一行/2021-12-17
Tag: 今日の「へーっ」
舌痛症など原因不明の痛みの原因が判明?
舌痛症の方は少なくありません。舌などに原因がないにも拘わらず、舌に痛みを感じて嫌で嫌で耐え難く気になると言うのが舌痛症です。のた打ち回るような激痛を感じることはないのですが、気になって気になって気分が暗くなるという特徴があります。他の原因不明の痛みも同じような性質があります。この痛みの原因を慈恵医大の研究グループが解明したということです。
結論から言うと、扁桃体の過剰活動が身体的原因のない部位での痛みの原因であることが分かったとのこと。もっとも、この舌痛症に代表されるような原因不明の決定的な原因を解明したという訳ではありませんけど、痛みの原因となる可能性があることを動物実験で示せたそうです。論文は、学術雑誌Painのオンライン版に掲載されました。
扁桃体とは?
扁桃体は自分に害となる情報を処理して不安や緊張を誘発したり、うつ病でも関与があるとされている脳の領域です。当然、痛みも自分にとって害となる情報の1つですから、痛みの情報も扁桃体に伝わってきます。そして、痛みにまつわる様々でネガティブな情緒を発生させるのです。
本研究のグループの新発見
痛みの源になる傷を発生させた動物実験で、右脳にある扁桃体の、その中の更に「中心核」という部位の神経細胞が活性化することで、痛みの原因となる傷とは離れた部位で傷がないにもかかわらず、その部分に痛みを感じるということを発見しました。
この現象を「異所性痛覚過敏」とか「広汎性痛覚過敏」というのだそうですけど、右の扁桃体中心核の興奮を抑制したところ、「広汎性痛覚過敏」が軽減することも分かりました。また、右の扁桃体中心核の興奮を高めている間だけ「広汎性痛覚過敏」が発生することも証明しました。
私見
舌痛症を代表とする原因不明の痛みには著効する治療は発見されていません。おの研究から効果的な治療法が開発されるといいですね。