最新医学の情報乱れ読み/2012-03-01
バーンアウトとうつ病の関連を運動で軽減?
- 就労による燃え尽き症候群(バーンアウト)とうつ病に関連が認められ、運動の増加に伴って、その関連が弱まることが判明。
2003〜09年に3回にわたる定期健康診断を受けた民間企業および公共機関に就労する1,632人(男性70%,初回検診時の平均年齢46.6歳)が対象。
メンタルヘルスの評価は、身体的・認知的・精神的な各疲労によるサブ尺度からShirom-Melamed Burnout Measureを採用。
うつ病では、過去2週間における8つの抑うつ症状に対する発現頻度を尋ねる質問票(PRIME-MDから派生したPersonal Health Questionnaire)を使用。
運動については、1週間当たりの運動日数や過去1カ月における激しい運動時間から1週間当たりの運動時間(0・75・150・240分)に換算して運動強度を評価。
健診1~2回目のバーンアウトの増加は健診2~3回目のうつ病の増加と関連。
この関係は運動強度の増加に伴い減少。
一方、健診1~2回目のうつ病の増加は健診2~3回目のバーンアウトの増加と関連。
この関係は運動強度が増加するに従い減少。
バーンアウトとうつ病の関連は、運動を全く行わない人(運動強度0分)で最も顕著で(P=0.00)、運動強度が上がるに従って弱まり(P値は75分で0.00〜0.01・150分で0.01〜0.03)、運動強度が最も高かった人(運動強度240分)では有意差は認められなかった。
「健診1〜2回目でバーンアウトが増加するに従い健診2〜3回目でうつ病が増加」「健診1〜2回目でうつ病が増加するに伴い、健診2〜3回目でバーンアウトが増加する」「運動によるこれらのメンタルヘルスへの影響について運動を全く行わない人では最も強く関連し、運動強度が上昇するに伴い関連が弱くなる」ことが分かったしている。
メンタルヘルス対策が不十分な職場では、就労者自身が運動によりストレス管理を積極的に行うべきと考察。
イスラエル・テルアビブ大学のSharon Toker氏らが就労者を対象に行った研究 J Appl Psychol オンライン版。
: