最新医学の情報乱れ読み/2012-04-01
Tag: バルプロ酸
バルプロ酸は脳を萎縮させる可能性
- Divalproex Might Shrink the Brain
バルプロ酸服用1年後のアルツハイマー病患者において脳の萎縮と認知機能の低下を認めた。
バルプロ酸は神経保護特性を有すると考えられている。
Fleisherらは、アルツハイマー病(AD)に対するバルプロ酸の24ヵ月間の、多施設共同、プラセボ対照比較試験(JW Psychiatry Aug 29 2011)に登録された軽度~中等度AD患者の亜集団において、本剤が脳の容積および認知機能に及ぼす影響を検討。
同研究では、バルプロ酸には興奮に対する予防効果がないとの結果が出た。
試験開始時(ベースライン)および12ヵ月目に磁気共鳴画像法(MRI)で解析。
12ヵ月目にバルプロ酸群では全脳、海馬の平均容積がプラセボ群に比べ有意に小さく、脳室拡大の頻度が有意に多い。
臨床的影響に関しては、副次的評価項目のMini-Mental State Examination(MMSE)スコアが6、12ヵ月目にプラセボ群よりも有意に低値。
MMSEスコアは海馬容積の年換算変化率と相関を示した。
18、24ヵ月目にはMMSEスコアの群間差は消失。
Fleisher AS et al. Chronic divalproex sodium use and brain atrophy in Alzheimer disease.Neurology 2011 Sep 27; 77:1263.
: