言たか放題/2015-02-19
フライパンの外も地獄?
アメリカのことわざに、"Out of frying pan into the fire."というのがあります。
フライパンの外に逃げたらたら炎の中だったみたいな感じでしょうか?
精神科診療のなかでよく似た経験をします。
会社がストレスになって辞めたのはいいけれど、次の仕事がなくて経済的ストレス状態に陥ったり、転職したけれどもっと酷い職場環境だったというものなどがそれです。
特に、うつ状態にある方は、自分には対処能力がなく、現在の状況は対処不能で、このままでは将来も永遠に対処することができないというような病的認知をしてしまいがちです。
「人生の重大な決断は病気がよくなるまでしない!」という精神医学の大原則は、"Out of frying pan into the fire."となりがちな患者さんの特性を鑑みて得られた経験則です。
ただし、例外はあります。
ブラック企業はできるだけ早く辞めた方が身のためでしょう。
それ以外の場合は、病気で辞めようと考えたら、まず、お医者さんに相談し、休業して療養に専念する道も考えるようにするべきでしょう。
病気が治ったときに、あの時、どうして辞めようなんて考えたんだろうということになる場合が殆どです。
"Out of frying pan into the fire."をくれぐれもお忘れなく!