言たか放題/2015-06-28
Tag: ふと知ったこと
ささやかな幸せ
某小説家某書籍まえがき(+α)より…
某小説家のお話し。
彼は、学生時代にカフカに出逢い小説家になる憧れを抱き始めた。
文士になりたい、なれなくても「なりたい」という思いで生きるだけでよいと思って、
ただ生きるために職を転々とし、
テレビも電話もない生活を続けた。
47歳のときに上梓した小説が吉本隆明などの賞賛を得て、文士として歩むこととなった。
このころ、同じく貧乏好きで彼のために朝食を作ってあげるという女性が現れたので結婚したらしい。
いま、この女性と2人で句の会を週1回催すのと、酒を酌み交わすのが最大の楽しみだという。
この女性がいなければもう生きていけないのだという。
そして、彼の唯一の望みは、この女性より早く逝くことだそうだ。
…
平成27年5月17日、誤嚥による窒息のため69歳で少し早目の死を迎えた。
妻、順子氏は現在もご存命である。
満願成就であろうか…
合掌。