小粋体験
小粋体験
通常は格好いいと認識できないガジェットを、小粋に使いこなす輩がいらっしゃる。
ウインドサーファー関係の人が多いかな。
サーファーでなくウインドサーファー。
こんな人たちの車などガジェットの使いこなしに意外性がある。
車ならブルーのファミリア、ホンダバラードのステーションワゴンとか。
まだ医学生として島根で暮らしていた頃だから30年以上も前になる。
当時、ホンダにバラードという車があった。
オジサン車である。
そのワゴンタイプは、更に輪をかけてオジサン的で若者好みではない車種だった。
当時、サーフィンはしなかったが、友人にそそのかされてディンギーで競技会になんかに参加していた。
その関係でよく海には出かけた。
そこでふと見かけた、ボードを車の天井に載せ、砂浜で支度を整えているウインドサーファー。
オジサン車とウインドサーフィンの組み合わせが結構いけていた。
こんな組み合わせでどうしてこんに小粋に見えるのかなぁ、って感心させられたことを覚えている。
また、当時、マツダの経営を回復させた今は亡き初代ファミリアという車。
よくたむろしていたフェブリエというカフェに、単体で見れば「?」という鮮やかなブルーのファミリアが、砂利びきの駐車場にウインドサーフィンボードを載せて何気無くとめてある。
フェブリエの白とボードを背負った青いファミリア。
これも新鮮な組み合わせだった。
ガジェットをセンスよく使いこなす。
自分たちには「一寸まねできないよなー」って連れたちと感心しきりだったことを思い出す。
それから何十年も経って、私は小粋からは未だ程遠いところでモッサリと暮らしている。
しかし、最近は「へーっ、意外!いいねぇ」って感じる体験がないのは、感性がダルになっているのかな?
発想することは無理でも、せめて感じることにくらいにはvividでいたいなぁ。