アップルストアの社訓(?)と精神医療
アップルストアの社訓(?)と精神医療
経済誌からふと目に付いた情報を1つ。
日本でもiPodにはじまり、iphoneやiPadでおなじみのアップル。
わたしが医者のなったころは、アップル社のパソコンはマッキントッシュというシリーズ名で、愛称マックと呼ばれ医師の世界では絶大な人気を博していました。
しかし、パソコンのOSがMSDOSからウインドウズに移行して、医師の世界でもマックのシェアはだんだん低下していきました。
世界的にも同様の傾向で、アップル創設者の一人である現CEOのスティーブ・ジョブスがアップル社から追われる憂き目にあいました。11年後の1996年にスティーブ・ジョブスがアップルに復帰したとき、アップルのパソコンは大手パソコン販売チェーンからほぼ姿を消している状態でした。
そのアップルが現在の隆盛を取り戻したのは、商品開発とともに、アップルストアの戦略が大きな役割を果たしているとのことです。
そのアップルストアですが、2007年の社員研修マニュアルでは、アップルの頭文字「APPLE」を用いて接客方法が説明されているそうです。
①Approach customers with a personalized warm welcome,(顧客個人個人に合わせた温かな対応をすること)
②Probe politely to understand all the customer’s needs,(顧客の全てのニーズを丁寧に探ること)
③Present a solution for the customer to take home today,(今日すぐに使える解決策を提供すること)
④Listen for and resolve any issues or concerns,(どのような問題や関心事項にでも耳を傾け解決すること)
⑤End with a fond farewell and an invitation to return.(こころのこもった言葉でまた来たいと思われるように見送ること)
というものです。
これらの社訓は、診療の規範としても応用できるような気がします。
①それぞれの患者さんに合わせた温かい対応を心がけること
②患者さんそれぞれの求めていることを見極め、達成可能な願望と達成不可能な願望を自ら整理できるように援助すること
③今日から直ぐに役に立つか、直ぐに楽になる対応や対策を提供すること
④どのような種類の心配事にも傾聴し、気持ちを読み取って共感して解決策を相談すること
⑤来てよかった、また来たい、と思われるような診療を行い、一定の満足を得られる答えを出して診療を終わること
このように読み替えることができるのではないでしょうか。
今後の診療に活かしたいと思っています。