かくれ不眠
かくれ不眠
病気ではないけど、健康ではない睡眠の変調のことです。
サマータイム制度(夏に時計を1時間ほど進める)は、健康への悪影響が大きく、節電効果が乏しいとする提言を、日本睡眠学会がまとめるということを、以前書きましたが、それに関連した毎日新聞の記事からの紹介です。
サマータイム制度を採用する会社に勤める人は、不眠に注意する必要があるようです。
出勤は早まるけれど就寝時刻は変わらず、睡眠不足になって自律神経失調になる可能性もあるようです。
日本のサマータイムは、欧米のように採用した国内のすべての時計が一斉に進めるわけでなく、職場と家庭で時差が生じる状態となります。
日本では、1948年に導入しましたが極めて不評で、51年に廃止したという過去があります。
今年の夏は、東京電力福島第1原発事故による電力不足を考慮し、企業別にサマータイムを実施する企業が目立ちました。
インターネット調査会社マクロミルが6月に、300人の会社員、公務員を対象にアンケート調査を行ったところ、サマータイム導入の前後で、午前5~6時に起きる人が36%から56%に増加し、午前0時よりも遅く眠る人が32%から22%に減ったという結果が得られました。
調査結果から、起床時間に比べると、就寝時間の変化が少ないとのことでした。
睡眠改善委員会委員の杏林大医学部の古賀良彦教授は「日本ではあくまで職場単位の取り組み。周囲に別の時間の流れがあり、ダブルスタンダードを強いられた人が『かくれ不眠』になる恐れがある」と懸念を述べているとのことです。
かくれ不眠とは、睡眠改善委員会が名づけた寝不足と不眠症の中間の状態で、軽度で短期的な不眠症状が発生し、自律神経の働きが乱れて不眠症へ発展する危険性があるそうです。
サマータイムによって睡眠時間が減ったり、休日に「寝だめ」したりすることで体内時計が狂い、かくれ不眠につながる可能性もあるようです。
サマータイムは9月末で終わり、以後は時計が1時間、後ろにずれるという急激な環境の変化は、うつ病などの気分障害の発症につながるとも、古賀教授は指摘しています。
生活リズムを急に変えるのではなく、10分ずつなどと、ゆっくりと元に戻すような工夫が望まれるということです。
かくれ不眠のチェックシート
□寝る時間が決まっていない
□平日に寝られず休日に「寝だめ」
□起きたときに「よく寝た」と思えない
□寝つきが悪いことが多い
□夜中に何度か起きてしまう
□思ったよりも早く起きてしまう
□昼間によく居眠りをしてしまう
□集中力が途切れてイライラする
□面白そうなことにやる気が出ない
□自分は寝なくても大丈夫だと思う
□眠れないことが異常だと思えない
□仕事が忙しいと寝ないで頑張る
(睡眠改善委員会作成。10個以上当てはまれば医師への相談を勧めている:毎日新聞社より)