帯状疱疹に1度かかった人は帯状疱疹の予防接種をどうすべきか?
帯状疱疹に1度かかった人は帯状疱疹の予防接種をどうすべきか?
帯状疱疹の予防接種(水痘ワクチン)を受けると、接種して以後5年間での帯状疱疹の発症率をおよそ半分に抑えることができ、一番つらい症状である帯状疱疹後神経痛の発生も約1/3にすることができることが分っています(米国の研究データ)。
この米国の研究データあらすれば、帯状疱疹にかかったことのない人は帯状疱疹の予防接種(水痘ワクチン)を受けた方がいいことは確かですね。
しかし、1度帯状疱疹にかかったことのある人はどうなのでしょうか?帯状疱疹の予防接種(水痘ワクチン)をするべきか?しなくてもいいのか?これについて解説してみました。
帯状疱疹に1度かかった人に予防接種をする意味はあるか?
結論は「してもしなくてもいい!」です。
しなくてもいい理由1
帯状疱疹に1度かかると2度はかからないとされてきましたが、帯状疱疹が再発することはあります。帯状疱疹の再発率を調査した韓国の研究では、再発確率は1.2%でした。帯状疱疹にすでに1回かかったことがあるのであれば、1%強の可能性をつぶすために予防接種を受ける方がいいのかは微妙な問題ですね。
帯状疱疹に1度かかった人の中で、1%の再発可能性を重視しない人は帯状疱疹の予防接種を受けなくていいでしょう。
しなくてもいい理由2
長期間の感染予防に役立つIgG抗体は、帯状疱疹に感染して2-4年間を経過してもゼロにはならないと英国の研究者は報告しています。
また、帯状疱疹にかかったのが1年以内程度であれば、帯状疱疹に対する抗体が十分に残っているので予防接種を受ける必要はないというのが専門家の意見です。
してもいい理由
しかし、帯状疱疹にかかってから2年以上たってしまうと、帯状疱疹に対する抗体価が帯状疱疹のウイルス感染を防止するには少なくなっている可能性があるとする専門家もいます。
結論は?
帯状疱疹にかかってから2年以上もたっているなら帯状疱疹の予防接種(水痘ワクチン)を受けるのがいいでしょう。しかし、それが1年未満であるなら帯状疱疹の予防接種は受けなくていいと思います。1~2年の間にある人では?わずかな可能性でも消しておきたいと思う人は帯状疱疹の予防接種をうけるといいでしょう。私ならうけませんが・・・個人の価値観しだいですね。
参考文献
- You Jeong Kim,1 Chang Nam Lee,1 Mi So Lee,2 Ji Hyun Lee,2 Jun Young Lee,2 Kyungdo Han,3 and Young Min Parkcorresponding author2,Recurrence Rate of Herpes Zoster and Its Risk Factors: a Population-based Cohort Study,J Korean Med Sci. 2019 Jan 14; 34(2): e1.Published online 2018 Dec 20.doi:10.3346/jkms.2019.34.e1
- J.E.Cradock-Watson,M.K.Ridehalgh,and M.S.Bourne,Specific immunoglobulin responses after varicella and herpes zoster.,J Hyg (Lond). 1979 Apr; 82(2): 319?336.doi:10.1017/s0022172400025730,PMCID:PMC2130148,PMID:219110.
- https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=9732