一番満足度の高い抗うつ薬ってなに?
2022.04.22
カテゴリ:抗うつ薬
一番満足度の高い抗うつ薬ってなに?
現在、抗うつ薬には作用し方が異なる何種類ものお薬が利用できるようになっています。けれど、どの抗うつ薬がより有効であるか?どの抗うつ薬がより副作用が少ないか?について、抗うつ薬を服薬している患者さん側からの評価についての研究はほとんど存在しないそうです。そこで、アルゼンチンAREA(Assistance and Research in Affective Disorders)が、そのような患者さん側からの抗うつ薬評価について調査した報告があったので紹介します。
得られた結果は、
- セルトラリン(商品名ジェイゾロフト)、パロキセチン(商品名パキシル)、エスシタロプラム(商品名レクサプロ)、ベンラファキシン(商品名イフェクサー)、デュロキセチン(商品名サインバルタ)、ミルタザピン(商品名リフレックスなど)、日本未発売の抗うつ
薬(fluoxetine、citalopram、bupropion)が含まれていた。 - ベンラファキシン(イフェクサー)、(bupropion)、(citalopram)が全体的な満足度が高かった
- セルトラリン(ジェイゾロフト)、パロキセチン(パキシル)、(fluoxetine)は感情鈍麻の報告が多かった
- いずれもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)である
- 感情鈍麻:喜びや悲しみなどすべての感情が生じない状態
- (bupropion)では感情鈍麻少なかった
また、抗うつ薬治療に対する全体的な満足度は、自殺傾向の増加、過敏性の悪化、感情鈍麻の出現、認知機能障害の出現、中断症候群の出現などの不快症状が少ないと満足度が高かった。
情報源
Sebastian Camino et al, Are all antidepressants the same? The consumer has a point. Psychological medicine. 2022 Mar 29;1-8. doi:10.1017/S0033291722000678.
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